以前の投稿(司法書士事務所のSEOによる集客)で、当事務所ウェブサイトからの新規お問い合わせは、訪問者500人あたり1件程度であると書きました。

ここでいう訪問者数はGoogle Analyticsのユーザー数です。そして、1件の新規お問い合わせが入るのに必要なユーザー数が500であるというのは目安であり、当事務所ウェブサイトの場合の実際のユーザー数は400から600の間位になると思います。

他の司法書士や士業の事務所のデータは分かりませんが、訪問者500人あたり1件の新規お問い合わせというのは、あまり良いとはいえない実績なのだろうと推測します。

その理由は2つ考えられます。まず、お問い合わせには絶対に繋がらない訪問者が多いであろうこと。

当事務所ウェブサイトでは、一般の方には全く必要ないであろう司法書士業務についての情報を、ブログなどで大量に記事にしているため、同業者や隣接士業の方などによる訪問が非常に多いはずだということです。

実際の比率は分からないものの、そのようなアクセスの割合が大多数であるようにも思います。500アクセスのうちの9割が同業者などからのアクセスだったとすれば、ユーザー数のわりにお問い合わせが少ないのも当然のことです。

それならば、見込み客である一般の方には必要のない情報は書かない方が良いかのといえば、そのような結論にはなりません。司法書士業務についての細かな情報を発信しているのは、ウェブサイトのSEO(検索エンジン最適化)のためでもあるからです。

可能ならば、見込み客である一般の方に向けたコンテンツのみで、ウェブサイトのSEOがうまくいくならそれが一番効率的です。しかしながら、一般の方に向けた「はじめての相続登記」、「相続登記は自分で出来るのか」、さらには「相続登記で権利証は必要なのか?」というような記事ばかりを書くのは大変です。

かりに無理やりそのような記事ばかりを書いたとしても、Googleに評価されるような高品質なものを量産するのは難しいでしょう。グーグルから評価されなければ、いくら記事を書いてもSEOには繋がりませんし、低品質なコンテンツばかりのサイトであるとみなされて、むしろ逆効果になる恐れもあります。

それならば、自分自身が得意な分野であり、記事として書きやすいことが何かといえば、当たり前の話ですが司法書士業務についての専門知識に関するものです。そこで、相続登記、その他の相続手続きなどに関する専門的な情報のページを数多く作成し、ウェブサイトそのものの価値を高めることが、ひいては効果的なSEOのための方策となるわけです。

アクセス数のわりにお問い合わせ数が少ないもう1つの理由は、ウェブサイトの見栄えが今いちであること。

イラスト画像などを多用したカラフルで美しいサイトに比べ、当事務所のような文字ばかりのサイトは見た目でだいぶ劣るはずです。ウェブサイトの出来映えによっても、お問い合わせに繋がる比率はだいぶ変わってくることでしょう。

それならば、ウェブサイト作成業者に依頼し、お金をかけて見た目の素晴らしいサイトを作れば、今よりももっと集客できるのでしょうか。

業者に依頼して、イラスト画像などを多用したカラフルで美しいサイトを作る場合、そのウェブサイトのページ数は10とか20くらいになるのが通常だと思われます。もっと多くのページを作ることも可能でしょうが、1ページごとにかなりの手間がかかるでしょうから、費用対効果などを考えるとその程度がせいぜいなのでしょう。

そして、その10とか20の見目麗しいページに見込み客がアクセスしてくれたならば、かなり高い割合でお問い合わせにつながるものと思われますが、いったいどうやって見込み客にそのページへアクセスしてもらうのでしょうか?

SEOによるページへの流入を期待するならば、Googleなどによる検索で上位表示される必要があります。たとえば、Googleで「相続登記」と検索した場合に1位で表示されたとすれば、相当数のアクセスが期待できます。それが無理でも、「相続登記 松戸市」のような検索順位で上位表示されることはSEOによる集客において必須です。

そのためのSEOを自力でおこなおうとするならば、、同じサイト内に設置されたブログ機能により記事を作成するのが最も一般的な方法でしょうが、それで検索上位に入ろうとすれば大変な努力と運が必要です。地域にもよるでしょうが、現在では「相続登記 ○○市」で検索Ⅰページ目に入ることすら容易なことではありません。

または、SEO業者にお金を払うなどして、上位表示されたいページへ別のウェブサイトからから強力なリンクを貼ってもらうことも考えられます。この方法はGoogleが認めておらず、検索結果に表示されなくなるなどのペナルティを受ける可能性も高いといわれていますが、現実には今でも横行しておりSEO効果も高いようです。

ただ、外部リンクの効果のみによって、今から上位表示されるには相当なお金がかかるでしょうし、ペナルティの危険性も高いでしょう。

結局、見た目に美しい10ページとか20ページのみのサイトで集客するならば、Google広告などのリスティング広告によってアクセスを集めるのでなければ満足な効果は得られないようにも思います。リスティング広告ならば、あらかじめ用意した素晴らしい相続登記のページへ確実に誘導できるからです。

しかし、競合の激しいキーワードでは1クリックあたりの単価も高騰しているようですから、1件の新規お問い合わせを獲得するための費用を最適化するのは、経験のない人が自分でおこなうのは難しいかもしれません。

それならば、ホームページ作成とリスティング広告による集客を業者に丸投げするなんてことも考えられますが、それではSEOによる集客とは全く違うお話になっていきますし、私には縁遠い世界です。

とりとめのない話になってしまいましたが、コンサルやSEOなどの業者に主導権を奪われることなく、自分自身の力のみでウェブサイトによる集客をしようとするならば、ひたすらコンテンツを追加し続ける地道なSEOがベストなのだと思います。

あとは、自分で勉強しながら少しずつリスティング広告をおこなうのも1つの方法でしょうか。どちらにしても難しいことなのでしょうが、そこからもウェブサイトによる集客は難しいとの結論が導き出されてしまうわけです。