X(旧Twitter)で司法書士(即独者)の集客方法についてのポストを見かけました。その内容は次のようなものでした(無断引用失礼します)。
1.人通りが多く目立つ場所に事務所を構える
2.ホームページを開設する
3.ポスティングをする
4.飛び込みで挨拶をする
私が新規開業したのは20年以上前のことであり、また、即独ではなく1年間のみですが司法書士事務所で勤務した後の開業です。
当時は司法書士事務所による広告宣伝がようやく認められるようになり、かつ、インターネットが広く普及しつつある頃でした。
そのため、開業当初こそ苦戦したものの、ホームページを開設するだけで比較的容易に集客できていた時代がしばらく続きました。
まともなホームページのある司法書士事務所がごく僅かだったため、関東全域の広範囲な地域からお問い合わせをいただくことができたのです。
それが、現在では新規開業する司法書士がホームページを開設しても、そこから集客するのは非常に難しくなっていると思われます。
たとえば、新たに公開したホームページが「司法書士 松戸市」や「相続登記 松戸市」などのキーワードで上位表示されるのは極めて困難です。
また、Google広告やYahoo!広告などのリスティング広告を活用するとなれば、かなり高額な広告費用がかかると思われるので、開業したての司法書士(即独者)の集客方法として採用するのは難しいかもしれません。
結局、新規開業者の集客方法として、ホームページを作成するのはあまり効果的ではない時代となってしまったため、以前からある集客方法に回帰しているというわけです。
ホームページ作成に何十万円もかけ、さらに、リスティング広告に多額の費用をかけるならば、自分でせっせとポスティングをした方が良いのではないかと。
ところで、「人通りが多く目立つ場所に事務所を構える」というのは現在でも有効な集客方法だと思います。
ただし、気をつけなければならないのは、「司法書士事務所へ訪問してくるのは善良な人ばかりではない」ということです。
人通りが多く目立つ場所に司法書士事務所を構えるならば、飛び込みでの相談も受け入れることになるでしょうか。
たとえ、「完全予約制」、「予約優先」などと表示していても、飛び込みでの来客は避けられないはずです。
もちろん、飛び込みでのご相談は絶対に断るという強い意思があるならば話は別ですが。
飛び込みで相談に来た人から、「とにかく急ぎで登記をして欲しい」と強く求められた場合に、即独したばかりの司法書士が適切に対応できるでしょうか。
急ぎの不動産登記に対応できないことより、「書類が揃っているからといって、急かされるままに登記してしまう」ことの方が危険かもしれません。
脅かすようなことばかり書くのもどうかとは思いますが、司法書士事務所の場合には、うまく集客して人がどんどんやってくれば成功というものではありません。
私自身の経験でいえば、ごく限られたケースを除いては完全予約制を貫き、間口を狭くしてきたことで危険を回避できたのだとも考えています。その分、事務所を大きくすることはできませんでしたが。
最低限の集客をおこなえなければ事務所を維持していくことはできませんが、どのように事務所を運営していきたいのかも良く考えてから、集客の仕方も選択するべきだと思います。