よくある質問(抵当権抹消登記)

住宅ローンの借入れにともない抵当権設定登記をする際には、ご自分では何もしなくても借入先の金融機関などが手続きを進めてくれます。ところが、ローン完済後の抵当権抹消登記の際には、手続に必要な書類を交付してくれるだけで、あとはご自分で手続きをしなければならないのが通常です。

抵当権抹消登記の手続きは、不動産の所在地を管轄する法務局(登記所)でおこないます。法務局へ行ってご自分で手続することも可能ではありますが、不動産登記の専門家である司法書士に依頼するのが通常です。ここでは、抵当権抹消登記が必要になったときに疑問になるであろう、よくある質問について解説しました。

当事務所へのご依頼を検討くださる場合には、事前にご連絡のうえご相談にお越しくださいますようお願いいたします。まずは、無料でお見積もりしますので、実際に依頼するかはそれから決めていただいて結構です。また、必要書類や手続きについては、抵当権抹消登記のページをご覧ください。

1.抵当権抹消登記は自分でできる?

2.抵当権抹消登記をしないデメリットは?

3.抵当権抹消登記の期限は?

4.事前に、所有権登記名義人住所変更などが必要なとき

5.抵当権者の商号(会社名)が変わっているとき

6.抵当権移転登記が必要な場合

7.銀行等から受け取った書類を紛失した場合

1.抵当権抹消登記は司法書士に依頼すべきか?

抵当権抹消登記は、司法書士に依頼せずご自分で行うことも可能ではありますが、はじめての方にとって不動産登記の手続きは分かりづらいものです。申請書の作成方法などをインターネットで調べたうえで、法務局の相談コーナーで確認を受けるなどすれば、なんとかご自分で必要書類の作成をすることもできるかもしれません。それでも、申請時と登記完了後の最低2回は平日の昼間に法務局に行かねばなりませんから、手間も時間もかかるものです(知識があれば郵送による登記申請も可能ですが)。

けれども、司法書士に抵当権抹消登記を依頼すれば、法務局での手続きはすべて司法書士が代理人としておこなうことができます。よって、一度だけ司法書士の事務所までお越しいただければ、後はすべての手続きをお任せいただけます。登記完了後の書類はご自宅へ郵送できますし、もちろん、法務局に行く必要もありません。

結局は、司法書士に払う手数料(司法書士報酬)と、ご自身で手続きする際にかかる時間や手間を考慮したうえで、司法書士に手続きを依頼するか決定することになるでしょう。当事務所では、抵当権抹消登記の費用を低額に抑えていますので、是非ご検討ください(抵当権抹消登記の手続費用はこちら)。

ただし、抵当権者(借入先の金融機関等)について合併や組織変更などがあったときには、抵当権抹消登記をする前に抵当権移転登記が必要になることもあります。このような場合、司法書士に依頼せずにご自分で登記手続きをするのは困難だと思われます。相手方(抵当権者)の都合により、余分な登記が必要になるのは納得がいかないところだとは思いますが、どうしようもありません(くわしくは、この後の質問「抵当権移転登記が必要な場合」をご覧ください)。

たとえば、旧住宅金融公庫からの借入れで、抵当権移転登記がされていない場合、抵当権抹消登記の前に、住宅金融公庫から独立行政法人住宅金融支援機構への抵当権移転登記が必要です。どうしてもご自分で抵当権抹消登記をしたい場合であっても、抵当権移転登記については司法書士に依頼することになるでしょう。

2.抵当権抹消登記をしないことのデメリットは?

住宅ローンを完済すれば、抵当権抹消登記をするかどうかに関係なく、抵当権の効力は自動的に消滅します。被担保債権の全部につき弁済があった場合、抵当権は消滅するとされているからです(これを抵当権の付従性といいます)。

しかし、実体上は抵当権が消滅しているとしても、抵当権抹消登記をしなければ、登記簿(登記記録)にはいつまでも抵当権が残り続けます。そのため、登記簿謄本(登記事項証明書)の記載は消えませんから、第三者から見れば不動産には担保(抵当権)が付いているままです。

抵当権設定登記が残っている状態では、不動産を売却(売買)したり、新たに融資を受けての抵当権設定などをすることはできません。後になって必要に迫られて登記をしようとしても、手続きが非常にたいへんになってしまうこともあります。よって、住宅ローンを完済したならば、必ずすぐに抵当権抹消登記をしておくべきだといえます。

3.抵当権抹消登記の期限は?

上記の回答にもあるとおり、住宅ローンを完済すれば、抵当権抹消登記をするかどうかに関係なく抵当権は消滅します。抵当権抹消登記をするのは、抵当権が消滅した事実を登記簿謄本(登記事項証明書)に記載してもらうためであって義務ではありません。したがって、いつまでに抵当権抹消登記をしなければならないとの期限はありません。

ただし、金融機関等から交付される抵当権抹消書類には有効期限があります。具体的には代表者の資格証明書(代表者事項証明書)の有効期限は発行後3ヶ月以内です。この3ヶ月間は「法務局が代表者事項証明書を交付した日」からなので、金融機関から書類を受け取った時点で相当期間が経過していることもありますから注意が必要です。

それでも、かりに3ヶ月間を経過してしまっても、法務局へ行けば新たに代表者事項証明書を取得することができますから抵当権抹消登記は可能です。しかし、登記をしないでいる間に抵当権者(金融機関等)の代表者が替わってしまったら、すでに受け取っている委任状の代表者名義と異なる事になってしまいます。また、金融機関等が合併したり、消滅してしまうこともあり得ます。

そうなれば、ご自身で抵当権抹消登記手続を行うことは著しく困難になりますし、司法書士に頼んだとしても通常よりも高額な費用がかかることにもなりかねません。よって、抵当権抹消登記に期限はありませんが、住宅ローンを完済後すみやかに行うべきだといえます。

(2016年3月15日追記)

不動産登記令等の改正により、平成27年11月2日から、法人が申請人である場合の不動産登記等の申請における添付情報の取扱いが変更になっています。

かつては、不動産登記等の申請をする場合に、申請人が法人であるときは、当該法人の「代表者の資格を証する情報」(以下「資格証明情報」といいます)を提供してましたが、現在では、当該法人の資格証明情報の提供に代え、原則として、申請情報に会社法人等番号を記録することとなっています(ただし、代表者の資格を確認することができる「作成後1か月以内の登記事項証明書」を提供した場合には、会社法人等番号の記録は不要です)。

上記改正により、登記申請時に会社法人等番号を知らせることによって、法務局でその法人の代表者事項などをいつでも確認できるようになったので、「抵当権抹消登記の期限は○ヶ月」といような明確な区切りは無くなっています。

けれども、時間の経過ととともに、法人(抵当権者)の代表者が替わってしまったり、さらには抵当権者である金融機関等が合併したり、消滅してしまうことにより手続きが大変になってしまう怖れもあります。

よって、ローンを完済し、抵当権抹消登記に必要な書類を受け取ったら、すみやかに手続きをすべきであることは今後も変わりがありません。

4.所有権登記名義人住所(氏名)変更登記が必要な場合

抵当権を設定した後に住所を移転している場合は、抵当権抹消登記をする前に住所変更(所有権登記名義人住所変更)の登記をしなければなりません。また、結婚などで氏名(苗字)が変わっている場合も、同様に変更登記が必要です。

住宅ローンを組んで自宅を購入し、現在に至るまで住み続けているのであれば、通常は住所変更の登記は不要です。しかし、その不動産を購入した際に、引っ越し前の住所で登記がされているときもあります。その後、住民票を移したとしても、登記されている住所が自動的に書き換わることはないので、抵当権抹消登記をする前に、現住所へ変更するための登記(所有権登記名義人住所変更)をしなければなりません。

司法書士にご依頼くだされば必要な登記をすべておまかせいただけますが、抵当権抹消登記のみをするときとは費用や必要書類が異なってきます。当事務所では手続をご依頼ただく前に必ずお見積もりをしていますので、まずはお気軽にご相談ください。

抵当権抹消登記申請書の登記権利者の表示が、登記簿の所有者の表示(住所)と一致しない場合において、表示の変更を証する書面を添付しているときでも、当該抹消登記申請は受理できない(登研355号)

5.抵当権者の商号(会社名)が変わっているとき

登記事項証明書(登記簿謄本)に書かれている抵当権者の商号が、現在の商号と異なっている場合であっても、それが商号変更によるときには抵当権抹消登記をするにあたって何らの手続きも不要です。抵当権抹消登記をする際に、商号変更の事実が分かる履歴事項証明書(閉鎖事項証明書)などを添付し、添付書類として「変更証明書」と記載すれば済みます。この変更証明書として必要な登記事項証明書等は、抵当権抹消登記の必要書類の一つとして金融機関等から交付されるはずです。

また、抵当権者の本店所在地が変更になっているときも同様に、変更証明書を添付するだけで登記可能です。上の質問にあるように、登記権利者である所有権登記名義人の住所等に変更がある場合には、事前に変更登記が必要であるのに対し、登記義務者である抵当権者の表示に変更があっても、事前の登記は不要であるわけです。ただし、単なる商号変更ではなく、抵当権者が吸収合併されているときには、抵当権移転登記が必要ですので、くわしくは次の質問(抵当権移転登記が必要な場合)をお読みください。

(2016年3月15日追記)

不動産登記令等の改正により、平成27年11月2日から、法人が申請人である場合の不動産登記等の申請における添付情報の取扱いが変更になっています。

抵当権者の商号や本店所在地が変わっているとき、かつては、上記のとおり変更の事実が分かる履歴事項証明書(閉鎖事項証明書)の添付が必要でしたが、現在では「会社法人等番号」を提供することにより、「住所の変更を証する情報」に代えることができるようになっています(ただし、住所の変更事項等が閉鎖登記記録に記録されている場合であって、閉鎖事項証明書に現在の会社法人等番号とは異なる会社法人等番号が記載されている場合には、省略することはできません)。

6.抵当権移転登記が必要な場合

抵当権抹消登記をする前に、抵当権移転登記をしなければならない場合があります。たとえば、会社合併により、抵当権者が吸収合併されているときです。この場合、合併を登記原因として抵当権移転登記をおこなう必要があります(会社合併があっても、抵当権者が存続会社の場合には、抵当権移転登記は不要です)。

また、旧住宅金融公庫から借入をしていた場合、抵当権抹消登記をする前に独立行政法人住宅金融支援機構への抵当権移転登記が必要となるときもあります(登記原因は「平成19年4月1日独立行政法人住宅金融支援機構法附則第3条第1項により承継」です)。

これらの場合には抵当権移転登記をおこないますが、抵当権抹消登記の必要書類とともに、抵当権移転登記に必要な書類も金融機関等から交付して貰えるのが通常です。また、抵当権移転登記の費用(司法書士報酬、登録免許税)は抵当権者が負担するので、余計に費用がかかるようなことはありません(司法書士から直接、抵当権者に請求します)。抵当権抹消登記と抵当権移転登記を併せて司法書士にご依頼ください。

なお、不動産登記の経験の無い方が、抵当権移転登記をご自分でおこなうのは困難だと思われますので、抵当権移転登記が必要なときは司法書士に依頼なさることをおすすめします(当事務所では、抵当権移転登記のみのご依頼は承っておりません。抵当権抹消登記と併せてご依頼ください)。

(参考)抵当権移転登記申請書の記載例

登記申請書

登記の目的 ○番抵当権移転
原因 平成19年4月1日独立行政法人住宅金融支援機構法附則第3条第1項により承継
権利承継者 (被承継者 住宅金融公庫)
      東京都文京区後楽一丁目4番10号
      独立行政法人住宅金融支援機構
      理事長 ○○ ○○
平成○年○月○日申請 ○○(地方)法務局○○支局(出張所) 御中
代理人 住所
    氏名(印)
    連絡先の電話番号
登録免許税 租税特別措置法第84条の3第1項により非課税
不動産の表示 (省略)

7.銀行等から受け取った書類を紛失した場合

住宅ローンを完済すると、借入先の金融機関などから抵当権抹消登記に必要な書類を交付してもらえますが、登記手続きについては自分で司法書士に依頼しなければらならないのが通常です。

そのため、書類を受け取ったものの抵当権抹消登記の手続きをしていなかったというケースもあります。この場合、ローンは完済していても、登記簿謄本(登記事項証明書)を取ると抵当権が付いたままになっています。

まず、抵当権抹消登記の必要書類を受け取ってから長い年月が経っていたとしても、その書類が残っているならば抵当権者(銀行等)に協力を求めなくとも抵当権抹消登記手続きができる場合もあります(このようなケースでの抵当権抹消登記をご自分でおこなうのは困難ですから、書類を持って司法書士にご相談ください)。

けれども、書類を紛失してしまっている場合には、抵当権者の協力を得ることが必要になります。抵当権抹消登記の必要書類である、抵当権についての登記済証(または、登記識別情報通知)は再発行されないからです。

抵当権についての登記済証(または、登記識別情報通知)を紛失しているときに抵当権抹消登記をするためには、法務局による事前通知の制度を利用することができます。登記済証(または、登記識別情報通知)を添付しないで抵当権抹消登記の申請をすると、法務局から登記義務者(抵当権者)に対して通知書が届きます。そして、この通知書を法務局に返送することによって登記が実行されます。

登記申請をする際の添付書類となる、登記義務者(抵当権者)の委任状へは会社実印で押印します。また、この印鑑についての印鑑証明書も必要です。その他の必要書類は、通常の抵当権抹消登記と同じです。

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