遺言書の書き方(自筆証書遺言)

自筆証書遺言は自分1人でも作成できます。専門家の手を借りずに書いた自筆証書遺言だからといって、公証役場で作成する公正証書遺言と比べて効力が劣ることもありません。

ただし、遺言書の書き方や、どんなことを遺言できるかについては法律により定められています。せっかく、遺言書を書いても法律的に無効なものであれば全く意味がありません。

自筆証書遺言を作成するときは、事前によく調べてから取りかかるか、司法書士などの専門家に相談することをお勧めします。千葉県松戸市の高島司法書士事務所では、遺言書作成の相談だけでなく、遺言書の保管、遺言の執行などについてもご相談を承っております。

(2019/08/02 追記)

自筆証書遺言に添付する財産目録をパソコン等で作成することができるようになりました。遺言書本文はこれまで通り自筆でなければならないものの、別に作成した財産目録を添付できるようになったことで、自筆証書遺言が作成しやすくなりました。くわしくは、自筆証書遺言の方式緩和をご覧ください。

自筆証書遺言の方式緩和(平成31年1月13日施行)

1.自筆証書遺言の書き方

自筆証書遺言を書く際には、次の4点を守らないと遺言の全体が無効になってしまいますので気を付けましょう。

自筆証書遺言で必ず守ること

1.全文を自筆にする(すべてを手書きで直筆しなければなりません)
2.正確な作成日を書く(○年○月吉日のような書き方は駄目です)
3.戸籍通りの正しい氏名を書く
4.印鑑を押す

遺言書を書き終わったら封筒に入れて、遺言書に押したのと同じ印鑑(通常は実印)を押して封印します。また、封筒には遺言書の作成日も書いておきます。

また、自筆証書は訂正するときにも、その方法が厳密に決められています。そこで、一部でも書き間違えた場合は、訂正しようとせずに遺言書の全部を書き直すのがよいでしょう。

自筆証書遺言の作成について (注意事項)(PDFファイル)

2.自筆証書遺言の例

上記の決まりを守れば、遺言書そのものは法的に有効だといえます。しかし、ご自身の思うとおりの遺産相続を実現するためには、個々の遺言事項の書き方についてもよく検討しなければなりません。

ここに示す例は、妻に自宅不動産、長男へは銀行預金を相続させるとした遺言です。実際に遺言書を書くときには、司法書士など専門家に相談するのが確実ですが、遺言書の条項例(文例、記載例)のページも参考にしてください。

遺言書

遺言者○○○○は、次のとおり遺言する。

1.遺言者は、妻○○○○(昭和○○年○○月○○日生)(注1)に、次の不動産を相続させる。(注2)

(1)土地(注3)
所在 松戸市松戸
地番 1176番地
地目 宅地
地積 100㎡
(2)家屋
所在 松戸市松戸1176番地
家屋番号 1176番
種類 居宅
構造 木造瓦葺2階建
床面積 1階 75㎡ 2階 50㎡

2.遺言者は、長男○○○○(昭和○○年○○月○○日生)に、○○銀行 ○○支店(口座番号0000000)の遺言者名義の預金債権の全てを相続させる。(注4)

3.遺言者は、本遺言に記載のないその他財産の一切を妻○○○○に相続させる。(注5)

4.本遺言の執行者として妻○○○○を指定する。(注6)

5.(付言事項)(注7)

もしものときを考えて、この遺言書を書きました。家族みんなが幸せでいることを心から願っています。

平成○○年○○月○○日(注8)

千葉県松戸市松戸1176番地2
遺言者 ○○ ○○ (印)(注9)

注意事項

  • 人を確実に特定できるよう、続柄、氏名、生年月日を入れます。法定相続人以外の場合は、住所も書いておきます。
  • 法定相続人に対しては「相続させる」、それ以外の人に対しては「遺贈する」と書きます。「与える」「譲る」「あげる」のような曖昧な言葉は避けましょう
  • 不動産は登記事項証明書(登記簿謄本)のとおりに記載します。とくにマンションの場合、登記事項証明書に記載されている事項が膨大な量の場合があります。そのような場合でも、当然、自筆でなければなりませんが、記載を省略できる項目もあるので、詳しくはお問い合わせください。
  • 銀行名、支店名、口座番号、名義人など預金口座を特定できるように書きます。金額は変動しますから書く必要はありません。
  • 遺言書に書かれていない財産をどうするかも指定しておけば安心です。
  • 遺言執行者を指定しておくとスムーズに手続をすることができます。弁護士や司法書士を遺言執行者に指定することもできます。
  • 付言事項には法的な拘束力はありませんが、遺言者の意思としてメッセージを入れておくことができます。
  • 作成した正確な日付を書きます。平成○年○月吉日のような曖昧な書き方では駄目です。
  • 戸籍に記載されているとおりの正しい氏名を書き、押印します。印鑑は実印を使った方が安心です。

  • 司法書士高島一寛

    千葉司法書士会 登録番号第845号

    簡裁訴訟代理関係業務 認定番号第104095号

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    (略歴)
    ・1989年 千葉県立小金高等学校卒業
    ・1993年 立教大学社会学部卒業
    ・2000年 司法書士試験合格
    ・2002年 松戸市で司法書士高島一寛事務所を開設

    (もっと詳しい司法書士紹介のページはこちら

    松戸市の高島司法書士事務所は2002年2月の事務所開業から20年以上の長期にわたり、ホームページやブログからお問い合わせくださった個人のお客様からのご相談を多数うけたまわってまいりました。

    当事務所の新規開業から2023年末までの相続登記(相続を原因とする所有権移転登記)の申請件数は1200件を超えています。


    事務所所在地(地図)

    千葉県松戸市松戸1176-2 KAMEI.BLD.306

    松戸駅東口徒歩1分(詳しい事務所地図はこちら

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